ジオストリーマー
海上地震探査では、海底・地層で反射した弾性波を、ストリーマー・ケーブルで受振することで地下構造のデータを獲得しますが、海面で反射する「ゴースト波」と呼ばれる地震波が、正確な地下構造の把握を妨げることがあります。従来は海面近くでケーブルを曳航することによってゴースト波の影響を軽減させる調査手法が一般的でしたが、この方法では波浪によって生じるノイズの影響を受けやすくなるという問題が生じていました。
OGFが調査・運航する「たんさ」に搭載されているストリーマー・ケーブルは、TGS社が開発したGeoStreamer®という製品です。これは、従来のハイドロフォンと呼ばれる圧力センサーに加えて、波の加速度を感知できるジオ・センサーを内蔵したデュアル・センサー型のストリーマー・ケーブルです。GeoStreamer®は、ゴースト波とデータ解析に必要な反射波の分離を可能とするため、ストリーマー・ケーブルの曳航深度も深くすることが可能となり、波浪の影響も抑制できます。
3Dトリプルソース
海洋地震探査では、データ取得手法として、二条曳きの震源が一般的となっておりますが、震源の標準仕様を三条曳きとする事で、同じ本数でのストリーマー調査に対し、より密なデータ取得が可能となりました。これにより、取得の横方向の間隔を妥協する事なく、調査効率を向上させる事が出来ます。また、ストリーマーの本数を相対的に減らすことが出来るため、結果として曳航機器そのものに対するリスクを低減できます。
OGFでは2023年度より国内で先駆けて三条曳きの震源を標準仕様として採用しており、データ取得の効率化を図っています。