「たんさ」の船上組織は通常の商船と異なります。船長に率いられる運航部とは別に、パーティ・チーフと呼ばれるリーダーに率いられる調査部という組織が存在します。調査部は4つの部門に分かれており、それぞれが物理探査のオペレーションに使われる特殊な観測機器の操作や管理を担当しています。OGFの使命の一つに物理探査技術の移転がありますが、OGFでは実際に多くの日本人調査員を迎え、彼らは物理探査の最前線で活躍しています。以下、調査部の各部門の仕事内容を紹介します。
- オブザーバー
- ストリーマ・ケーブル設営・揚収・維持管理、観測中の反射波データ記録システムの運用を主業務としています。 観測中も、小型作業艇を駆使して機材のメンテナンス作業を行います。海中機材のトラブルはデータの品質に深刻な影響をもたらすため、常に正常な状態で運用することが求められます。
- ナビゲーター
- 主要業務は調査エリアでの観測計画(シューティング・プラン)作成や、観測中の海中機材制御と位置情報の記録です。観測中は反射波データをより効率的に取得するため、本船の誘導を行います。また、ナビゲーションに関連する全てのハードウェアとソフトウェアの操作、メンテナンス、修理も担当しています。
- メカニック
- エアガンやデフレクターの展開・揚収、油圧システム機器全般の整備・補修等、調査に関連する大型機器の維持管理を行っています。航行中の船体から大型機器の展開・揚収を行う作業は高い技術と熟練性が要求されます。
- オプスジオ
- オプスジオ部門は、収録したデータの品質管理を行う クオリティコントロール(QC)部門と、品質確認が完了したデータの処理を行うデータプロセッシング(DP)部門に分かれています。QCは観測された反射波データの品質を、観測中・観測後共にモニタリングし、データの品質を一定の基準以上に保つことを主業務としています。DP部門は、ノイズ抑制処理や波形補正処理等を実施することで地下構造を正確に解釈・評価できるようなデータを生成します。